アメリカ版社労士さんに聞くQ&A

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  • 訴訟を防ぐ方法

    米国に進出してくる際に最初にお問合せをいただくのがビジネス保険、そして、雇用を始める段階になって労災保険の準備です。その後にEmployee Handbookのご用意をしていただくことになります。

     よくある御質問はどうやったら訴訟を防ぐことができますか?という質問です。  残念ながら、訴訟を防ぐことはできません。  米国で事業を運営する以上、訴訟は起こります。という程度に考えておいた方がよいと思います。

    なぜなら、米国と日本では訴訟に対する考え方や制度が違います。訴訟に対する考え方は、日本では話し合いではどうしても決着が付かない場合の最終手段と考えられるでしょう。一方で米国では、相手と交渉をする上でのツールの1つとしか考えられていません。 特に皆様が心配するのは、従業員から会社への訴訟だと思いますが、従業員から会社を訴訟する場合は、多くの場合、成果報酬型の弁護士が訴訟を行います。成果報酬ですので、従業員さんには金銭的負担はかかりません。時には、自分が訴訟を起こしていることもよく分からず、知り合いの弁護士に上手く対応するからと言われて訴訟を起こしてしまっているケースさえありました。 自動車に乗る機会が多くなれば、自然と事故の割合も増えます。自分が気をつけていても相手からぶつけられることもあるでしょう。米国での訴訟はその程度起こりやすいと思っておきましょう。

    そこで、会社がとれる対策としては、できるだけリスクを減らすことです。Employee Handbookを始め人事関係の書類を整備することもその1つです。そして、訴訟が最も多い賃金、休憩、セクシャルハラスメント等の問題をしっかりと管理して問題を起こさないような対策を立てておくことが求められます。

    また、採用時や解雇時の書類をきちんとそろえておくことも重要です。実際に、従業員が働いている時には、そのパフォーマンスや報酬の記録やフィードバックをしっかりしておくことも重要です。あたり前のことですが地味な記録をしておくことが人事部門を強くして、「この会社はしっかりしているから訴訟は難しそうだ」と従業員が思うようにしておくことが必要でしょう。 さらに、従業員が訴訟をしてきた場合の専門の保険があります。従業員訴訟対策保険ですが、この保険に加入しておくと従業員から訴訟が起こった場合に、保険会社に連絡をして、保険会社の弁護士がついて、会社の代わりに戦います。多くの場合は示談になると思いますが、万が一の場合には保険に加入しておくのも対策の1つでしょう。会社にまったく非がなかったとしてもそれを証明するために1年半戦うとその費用は$300,000程度はかかると思われます。 その費用を保険でカバーします。

    米国の人事はいかに訴訟を防ぐか。リスクを減らすか。にかかっています。その点は日本の人事と最も違う部分ではないかと思います。

    Vol.022

    Uploaded : 05/10/2016

山口 憲和さん - フィロソフィ保険サービス

●2000年から様々な人事労務管理のケースに携わっております。
●企業設立時のビジネス保険、労災保険、健康保険、就業規則作成、労務管理アドバイスで皆様のお役に立つことを使命としております。

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