TADASHI MURAKAMI

スタッフのみんなは、この「お店」という種を育てていく事を楽しんでくれている気がします。

昨年12月に、ここメルローズに新しくオープンしたわけですが、その経緯を教えて下さい

とても長くなりますが(笑)・・・簡単に話すと、97年に一軒目のお店を開店、9年間お店を営業し、繁盛店になり、忙しすぎた為に、私も疲れていた事もあって、お客様に対してアプリシエーションが減って来た事を強く感じるようになりました。そのまま維持する事もできたのですが、やはり100%の状態でお客様を迎え入れられないのであれば、一度お店を閉めて再度新しいスタイルのお店を出すとか、何か冒険をしてみたくなった為に一度閉店。お客様から惜しまれながらの閉店でしたが、あの店に関しては「もうやりきった」という思いでした。その後4年程友達の店を手伝ったりする日々を続け再度お店を開ける事を決意し、ハリウッドの小さなロケーションを見つけ、寿司バー無しの店を開けました。4年経過し、売上げも安定したところで建物の立て直しの為退去する事となり、2013年の秋に閉店、その頃物件を探していたところにちょうど自宅の隣の家の方がメルロースで寿司屋をやっていて、なかなかうまくいかないから経験者である私に買ってほしいと。こんな偶然というかタイミングもあるもんだな〜と思い、気がついたらもうここまで来ていたという感じです。
この物件しかない、という100%の自信があるわけではないのですが、周りの皆さんの好意や応援に支えられて、もうこの流れに任せてやってみるか、という感じですね。

ウエストハリウッド、ハリウッドにて大人気店として営業されていたわけですが、お客様に支持されるお店にするためにこころがけていることはありますか?

例えば2軒目のお店はガスのラインも無かったので電気で調理しか出来ず、電気釜で炊いたご飯をお寿司にしなければならない、といった規制の中での営業でした。小さい店でメニュー数も限られる為、苦肉の策でMake your own bowlというお好みスタイルの丼で提供する事になったのですが、これが受け入れられて、少しずつ常連客が増えていきました。
また、常連さんが増える一方で、お客様全員に平等にサービスするという事は常に意識していました。常連さんにも甘えず、また苦手なタイプのお客様に対しても公平なクオリティとサービスを提供する、という当たり前の事を、みんながきちんとしてくれたからでしょうか。
自分のお金を使って、この店を選んでわざわざ来てくれるわけですから、それはやはり大変な事だと思うんです。お客様の気持ちに応える、という事がやはり一番重要な事ですかね。例えオーダー入れ忘れてサーブが遅くなったとしても、正直に謝って一生懸命さが伝わればお客様分かってくれるし、なかなかオーダー取りにいけなくても一言「今行きますね〜」と笑顔で言うとか、そういったちょっとした一生懸命さがお客様にも伝わって、帰る頃に「このお店に来て良かったな」「また来よう」と思ってもらえるんですよね。働いている人の気の持ちようとか、雰囲気とか、お客様にやっぱり伝わるもので、内装やメニューのバラエティや立地も確かに重要だけど、そういった事が完璧でもお客様の少ないお店というのは、やはり働いている人のお客様へ対する思いが影響しているんだと思います。

特にこのお店は移転しても従業員さんが変わらず、みなさん長い事働いていらっしゃるそうですね。

そうなんですよ。働いている人が変わらないね〜とよく言われます。だから募集の必要が無いから求人サイトのインタビューには役に立たないね。(笑)

離職率が低いのは素晴らしい事です。みなさんが辞めない理由は何だと思いますか?

別に弱みを握ってる訳でもないし、脅して引き止めてるわけじゃないんですけどね〜。(笑)
まあでもみんな同じ目線で仕事が出来てるって事ですかね。ディッシュウォッシャーがいなかったらお皿が出てこないし、キッチンヘルパーがいなければ僕らも仕事にならないし、みんな重要な仕事を任されているっていう意識があるからかな〜。人間関係がいや、っていう事は聞いた事ないですね。

皆さんが仲良く、働きやすい環境を作るために心掛けていることはありますか?

やっぱりそこも公平にする事かな。お給料の差はあるにしてもみんな公平に付き合っています。
むしろみんなが気を使ってくれて僕に働きやすい環境を作ってくれているという感じです。何か問題があってもみんなで意見がまとまって解決するまで社長の耳には入れないようにしよう、って動いてくれています。

みんな、このお店を開けた経緯を知っているので、特に同じ思いで仕事が出来ています。前のお店はみんなもお客様の名前を覚えて、もう家族でやっているお店のような感じだったので、閉める事でがっかりして、ここに開くのを心待ちにしてくれていました。
将来このお店が大繁盛して人気店になった時に、ここに携わっていた事にと自信を持ってくれたらいいな〜と思っています。お金だけじゃなくて、このお店という種をみんなで育てていくという事を楽しんでくれている気がします。

▲ シグネチャーのMurakami Roll
▲ Appetizerも豊富
▲ ヘルシー志向のアメリカ人に大人気
▲ 仕事中は真剣なまなざしのシェフのみなさん

インタビューを終えて

スタッフ全員が本当に仲が良く、お店が大好きで、まさに皆さんが「働いている事を楽しんでいる」といった印象でした。スタッフが変わらないお店というのはお客様から見ても安心できるお店ではないでしょうか。ランチ時にお伺いした時は、閉店後に豪華な賄いを皆さんで仲良く食べる姿がありました。「残り物で全然豪華じゃないですよ〜」と笑顔で話す村上さん。
本当に家族のような、あたたかいお店でした。

Information

Murakami Sushi
http://murakamimelrose.com

7160 Melrose Ave Los Angeles
CA 90046

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